生活意識の慣性

前の記事にブコメ頂いたので追記

オドラテク(仮)のこと

日本の景気が悪いせいですかね。自殺者が多いのは。

2016/09/21 00:02
b.hatena.ne.jp
結局そうなんだろうと思う。

件の記事のグラフからは、失業率と自殺者数の変動には相関がありそうに見えるけど、不思議だったのは2004~2007年の間は失業率は下がれど自殺者は横ばいだったのよね。
私の記事ではそこについてははっきり書かなかったのだけど「実際の失業率」×「世間を支配している景気観」みたいなものが働いているのでは?という気がする。

www.garbagenews.net
この記事の中段にある1991~2016年の消費者物価指数をみると、この時期ってバブル以降の物価の下降が一段落した時期に見える。
また
www.garbagenews.net
こちらの記事の実収入に占める非消費支出の割合の推移をみると、2008年以降に跳ね上がる前の踊り場的な状態に見える。

同じ時期を失業率と自殺者数の低下が連動している2010年以降で比較すると、消費者物価指数は乱高下しているし、非消費支出の割合は上昇している。むしろ不安定or悪化していると言っていいのになぜ失業率と連動して減っているのか。

たぶん、バブル期からの期間の差なのだろうと思う。
バブル期を知っている人間、特にその旨みを味わった人間にとって、崩壊後の変動は「没落」とし感じられただろう。そういう感覚に囚われている状態では物価が安定していても、非消費支出率はあまり変わらないと言われてみても気安めにはならず、「ここで気を許したらまたもっと没落するかも」とむしろ自分の没落への不安に襲われる人が多かったのではないだろうか。

それから5年過ぎ10年過ぎ、「没落」した状態に慣れてしまえば、見えてくる世界が変わってくる。
バブル崩壊直後はこのうまい状況を少しでも維持して、同じレベルの生活を…と思っていた人も、とりあえず糊口をしのげれば十分と考え始めたりする。
物価は高くなり、非消費支出率も高くなり、それでも生活の糧を得る仕事があれば御の字と思える人間だけが生き残ったからということもできるだろうか。

目の前の日々の変化にモノの流れにどうしても囚われ流される。
生活意識にも慣性が働くということなんだと思う。

逆に言えば、他所から見て没落しているように見える状況であっても、本人たちを支配する景況感が「景気が良い」であるなら、実際の失業率の変動以上に自殺者数は低くなるかもしれない
(とはいえ、幸福度世界一と言われるブータンが自殺率で世界20位にいるのだからそうとも言い切れないかもしれないが。…というか幸福度の測定方法が間違っているのかもしれない。)

日々の暮らしをそこそこ維持しつつ、適宜生活意識をリセットして慣性から自由になれたら、比較的幸せに長く生きることができるのかもしれない。