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騙されないために夢を見ない

偽科学などにだまされないためにはどうしたらよいか?というまとめに対し

偽科学やデマに引っかからないポイントってなんだろう? - Togetterまとめ

騙される人は「今よりも状況を良くしたい」と思っている人が多い。だから、「こうすれば良い」or「これだからダメ」が気になる。死なない程度に軽く、絶対満たされない程度に深い絶望が、騙されない鍵だと思う。

2016/02/29 00:45

ブコメしたのだけど、これはたぶんあまり実用的ではないと思ったので、補足。

「騙されている」状態とは何かと言えば、同じ現象に対し、騙す側の言動により、騙される側の認知が歪ませられている状態のことだと言えるだろう。

何故歪むのか?
騙される側が自分の認知した結果より、騙そうとする相手の提示するものを信用するからだ。
(もし、本人の認知したものを真実として採用した場合、その内容が例えものすごく頓珍漢なもので、結果的にきわめて大きな不利益を被ったとしても「騙された」と言うことは出来ない。当たり前のことだ。他人が必ず介在する。)

では何故相手の言動を信用するのか。
相手の言動が、自分の認知より正しく状況を捉えているような気がするからだ。

ではなぜより正しい状況把握が必要なのか。
正しく状況を把握しなければ、正しい判断が出来ないからだ。

では何故正しい判断が必要なのか。
正しい判断を行わなければ、利益を得られず不利益を被る可能性が高まるからだ。

つまり、騙される心理の先には、現状をより良くしようと(利益を増し不利益を排除しようと)する心理がある。

だがこれは間違ってるだろうか?
現状をより良くしようとする心理があることは、非難されるべきことだろうか?
否だ。
より良くしようとすること自体は非難されるべきものではない。なんとなれば、この世の中のあらゆる改善改良進歩発展改革革新発明発見その他諸々は、この「今よりもより良くしよう」とする心理を原動力にして行われているものでそれら諸々が、現実に人々の生活を快適で安全で健康的なものにしてきたのは確かなのだから。

逆に言えば、騙されない様にする一番簡単な方法は、より良くしようとすることを諦めてしまうことだとも言える。
であのブコメなのだ。
現状を受け入れ、より良くすることを諦めてしまえば、正しい判断を、正しい状況認識を、他人の言動を信用する必要がなくなるからだ。

死なない程度に軽く、解決しない程度に重い絶望を持つ人なら、期待しない。期待しないなら騙されない。

例えば科学者と呼ばれる人たちには、このたぐいの人が多くいる。
彼らは研究や実験の結果などから、ある現象に関して、発生し得る結果をある程度の範囲で確信している。
これは、科学を魔術のように考える人人から見れば「劇的な結果の可能性を端から諦めている」ということだ。

「あきらめる」とは「あきらかにする」ということだから、「あきらかにしよう」としなければ「あきらめる」ことは出来ない。

だが、そうした訓練を受けた人々でも騙されるときは騙される。
まず、分野が違えば未知の領域が広がる。未知の領域ではあきらめることが出来ない。
あるいは他人の命が絡む場合。
自分の命なら自分の諦念であきらめられるが、他人の命はそう簡単にあきらめられない。

そうした時、彼らは自分の中の矛盾と戦うことになる。
そこで彼らは、持てる力を奮って自分の認知を納得させるものをかき集め武装する。
偽学問やオカルトはそこで進化発展していく。
騙される側がそうして用意した武器が次の標的に向けて使われ、騙し騙されが連鎖していく。

これを止めるには、やはり、そうすることが無駄であるとあきらめることより確実な方法は無いように思う。
自分が知らない分野でも、自分の愛する人の命に関することでも、救いはなく、奇跡は起きず、今より良くなることはないとあきらめられれば、少なくとも騙されることはなくなるだろう。



だが、そういう人生ってどうなんだろうか?
私は割とそういう考え方する人間だから今更なんだけど、そんな絶望抱えながら生きるのって楽しくないだろうなと思う。

「楽しい人生」と言う奴自体が、騙しみたいなものなのだ。
だから、「楽しい人生」を求めるなら騙される可能性を排除することはできない。
自分にとって一番快適で利益のある騙しを見極める目を育てるしかない。