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仕組みは理想を担保しない

民主主義の基本はいかに『多数決』をしないかだと思うんだよね - ゆとりずむ

良記事。同意。「本来は全会一致が基本」ってのは忘れがちなポイント。選挙制度も、記事中の条件を国民全員を対象に行うのは不可能なので代表を選んでる(それも話し合いだと難しいの選挙で)だけという理解は必要。

2015/09/17 17:05

以前こんなブコメをしたのだが、要点は、

「仕組み自体が理想を担保しない」

という点。

これは安保法制にも言えること。
与党の言う「日本が戦争をしないためのもの」であるということはいわばこの「理想」の部分。つまり、

「安保法制を理想的に運用すれば、日本は今後も戦争に巻き込まれないし、海外に出た自衛隊員も戦闘を行うことはない。」

ということなのだと思う。

そして、それに反対している人の一部は(少なくとも私は)上記のような考え方の元でこの主張を批判的に見ている。つまり、

「理想的に運用できなかった場合、あるいは意図的にせずに悪用した場合、日本は戦争を引き起こすことが出来る仕組みになっている。仕組み自体に問題がある。
この安保法制が“理想的に運用すれば民意を反映させることが出来る仕組み”であるはずの“議会制”や“多数決”によって、立憲主義に反する内容で成立してしまったことでも、その危険性がよくわかる。」

と考えている。


もちろん、この世界に完璧な仕組みはない。

プログラミングなどで、エラーを取り除いたり、使い勝手を良くしようと例外処理を追加していくと、どんどん複雑に膨大になって行き、パフォーマンスが悪くなっていくなんてことはよくあるけど、そういうもので、完璧さと性能はある段階以降は反比例することが多い。

安保法制にしたって、「武力によって武力を抑える」を基本とする視点に立って言えば、いつでもどこでも誰にでも即時で戦える状態にしてしまうのが一番話が早い。軍国主義というか、イケイケ状態だ。でもそれでは困ると、いろいろな制限をかけてきたのが近現代の政治の流れ。

安保法制、是か非かという話は、「縛りをどこまでかけるべきか」という話でもある。(それが全てではない)


(賛成派の意見は「実効性がない法制度を持ってたって仕方ないから、縛りを少なくしておいて理想的に運用すれば良い」という方向の意見だということも出来る。
反対派の意見は「理想的に運用出来ない、しない人が出てきても暴走しないように。十分に縛りを入れておくべきだ」という方向性か。

こうして単純化すると賛成派はいわゆる性善説、反対派は性悪説に立っているように見える。
でも外からで考えると、賛成派は「実効性が必要=あいつらはいつ攻めてくるかわからない狂気の連中だから備えるべき」と考え、反対派は「あの人達とも対話や交流など武力によらない安全な関係性を築くことが出来るはずだ」と考えていると見ることも出来る。
とすれば、先ほどのいわゆる性善説性悪説的な視点は逆転していると言える。)


私自身は、「他国に安全を求めるなら自らがまず安全な存在であるべき」と思うので、狂気の主が総理大臣になったとして暴走しても簡単に戦争にならない様な仕組みにすべきだと考えているし、その考えから言えば今回の安保法制は仕組みとして欠陥があるのでそこを解決すべきだと考える。

それは議会制や多数決制についてもそう思うのだが…、じゃあ代案をと言って思いつかない。
パラダイムシフトが必要なんだろうな。


(で、上記の「安全な存在」に関してはもちろん「なにをされても唯々諾々と受け入れる」ことを意味しないのは当然。
「自分は武器を持たない状態でいても武器を持っている人々が武器を使えず対話せざるをえない状況にすること」こそが安全保障だと考える。

「山賊が出るから武装しないと安全じゃない」と「山賊は出ない」とでどちらが安全かは明らか。さらに言えば「山賊を武力で討伐する」より「山賊やってる人が山賊やる必要がない状況を作る」ことの方が根本的な解決であり、それこそガルトゥング博士言うところの“積極的平和主義”であり、日本が本来求めるべき安全保障とはこういう方向の安全保障だと考えるが、別な話になるので閑話休題