集団的自衛権を行使するなら周辺国とのつながりを強めるべき

私自身は、今回の安保法制は違憲なので廃案にすべき(どうしても必要なら憲法改正すべき)だし、集団的自衛権を日本が自主的に行使出来るようにすることは、かえって日本の安全保障上のリスクを高めることになると考えているのだが、思考実験として。

日本が、中国の拡大主義に対抗するために自主的に集団的自衛権を行使できるようにするなら、組むべきはアメリカよりもむしろ、韓国であり、台湾であり、ベトナムであり、モンゴルでは無かろうか。

これらの国と、正式に安全保障条約を結ぶのだ。
それらの国が侵攻を受けた時は助けに行きますよ、と。
当然、そこまでやったら中国の反発は相当強まるだろうし、戦争になる危険性も高まる。
でも、目的が対中国ならその方が確実だと思うのだ。

アメリカを助けるための集団的自衛権なら、その手は世界中どこにでも延びる。日本の自衛と関係ない戦争もする事になる可能性がある。

韓国、台湾、ベトナム、モンゴルであればエリア的に日本と密接に繋がっている。そこで起きた紛争が日本に影響しないわけがない。

たとえば、台湾に中国が攻撃を仕掛けてきた時、自衛隊がその後方支援を引き受ける。それを中国が攻撃すれば、日本との戦争状態になる。
中国が周辺国に拡大しようとする=日本と戦争になるわけだ。国連憲章にある集団的自衛権って本来そういうものだの思う。


なんのことはない、これはあれだ、大東亜共栄圏的な発想だ。
アメリカは嫌がるだろうし、たぶん非難されるだろうな。韓国政府も不快感示すだろう。でもメンバーとしてははずせないと思う。
大事なのは、周りに手を出すと面倒くさくなると中国に思わせる必要があるということだ。それも、日本だけの力ではなく、周辺国とのネットワークによって。

(より言えば、今の状況でも、国際救助的な位置で、有事に民間人の保護や救護活動の名目で、自衛隊が入国できるような協定が結べたら、同じ様な効果は期待できる。もちろん、いざという時「自衛のために戦闘できる」ことは必須になるだろうし、そうなったら、それはそれで問題が多いようにも思うけど。)


理屈だけど、安全保障は、現実に弾を撃てることが必要なのではなく、いざという時には撃たれると思わせることが大事で、それも、出来る限り壊滅的で面倒くさくて、しかも、成功してもなにもメリットがない状態になる…と想像させることが肝心なのだと思う。
実際に撃てる弾のスペックより、攻撃することで被る悪い影響をわかりやすくイメージさせられる力の方が役に立つ。
もちろん、実際敵が撃ってきた時にどうするかを考えるのも大事だけど、相手に撃っても損すると思わせられなければ、いくら軍備を整えても間に合わない。
上に書いた周辺国との積極的な安全保障体制の確立は、アメリカとのそれよりも、そうした拡大主義に対してネガティブなイメージを持たせる効果が高いように思うのだ。


与党の安保法制に賛同している人の中に、こういう意見はあまり見ない。

今法制がアメリカありきなのは歴史的な流れから仕方ないとはいえ、アメリカの弱体化で国際状況が緊迫してると言うなら、東アジアのパワーバランスを日本がイニシアチブを取りながらコントロールできる体制を作るべきで、周辺国との安保体制の樹立は、その体制作りに繋がると思うのだ。


もちろん、このやり方もまた、日本が戦争することになるリスクを確実に高める。
それにたぶん、相当外交能力のある政治家や官僚が必要で、今の日本ではむずかしいように思う。
(なんせ、出来る限り、アメリカも中国も国際世論も刺激せずに、日本を軸にした中国包囲網を作ろうと言う話だから。)


まあ、考えるだけでおなか一杯。
たぶん穴だらけ。
「ぼくのかんがえるさいきょうのあんぽたいせい」の一つとして。